個性的なキャラクターからシリアスな役柄まで、幅広い演技で観る者を魅了し続ける俳優・阿部サダヲさん。
最近では映画やドラマだけでなく、ナレーションや舞台などでも存在感を放っています。そんな彼の演技力は、どのようにして培われたのでしょうか?
今回は、阿部サダヲさんの若い頃の舞台裏に迫り、今もなお輝き続ける演技力の秘密を紐解いていきます。
阿部サダヲ・“劇団☆新感線”の下積みからスタート

阿部サダヲさんが俳優として本格的に活動を始めたのは、1992年に大人計画へ参加したのがきっかけです。
1992年より大人計画に参加。同年、舞台「冬の皮」でデビュー。
出典:大人計画
当時は今のような人気俳優ではなく、舞台を中心に活動する“若手劇団員”でした。
脚本家・宮藤官九郎さんとの出会いもこの頃で、彼の舞台作品に数多く出演しています。
クセの強いキャラクターを演じながら、“芝居の基礎”を徹底的に叩き込まれた日々だったといいます。
舞台では観客との距離が近く、ほんのわずかな表情や間違いも見逃されることはありません。
そんな過酷な環境で育ったからこそ、緻密で大胆な演技ができるようになったのでしょう。
阿部サダヲ・映像作品でのブレイクは『木更津キャッツアイ』!

2002年、TBSドラマ『木更津キャッツアイ』で“うっちー”役を好演し、阿部サダヲさんの名前は一気に全国区に知れ渡りました。。
阿部サダヲ、ヒカキン顔芸の起源を言い張る 『木更津キャッツアイ』猫田のネズミ顔と酷似?
出典:Drama Movie
コミカルでちょっとクセのあるキャラクターを、絶妙なテンポと間で演じきり、視聴者の心を掴んだのです。
同作品の脚本も宮藤官九郎さんでした。
舞台での積み重ねがそのまま映像の世界でも活かされた形です。
以降も『医龍』『マルモのおきて』『下剋上受験』など数々の話題作に出演しました。
コメディでもシリアスでも違和感なく入り込める演技力は、キャリアの初期に徹底して鍛え上げられた「引き出しの多さ」にあるといえるでしょう。
阿部サダヲの演技力の秘密

阿部さんの演技には、どこか“リアルさ”があります。それは単に台詞がうまいとか、表情が豊かというだけではなく、実在する人間の空気感を体現しているからではないでしょうか。
阿部サダヲさんの演技には、舞台俳優としての経験が随所に現れています。
セリフの間、感情の表現、体の使い方など、どれも“観客の前で鍛えられたもの”です。
①日常からの観察力
インタビューでは、「普段から人のしぐさや喋り方を観察するのが癖になっている」と語ることもあります。
日常のなかにある細かな所作や感情をすくい取ることで、自然で共感できる演技が生まれているのです。
②全力で“振り切る”覚悟
阿部サダヲさんのもう一つの魅力は、「ここまでやるか!」と思わせるような、“振り切った演技”です。
映画『舞妓Haaaan!!!』や『謝罪の王様』などでは、まさに体当たりの演技を見せてくれました。
阿部サダヲ、堤真一、柴崎コウがコミカルでエネルギッシュな演技を見せた映画「舞妓Haaaan!!!」
出典:スカパー
時には変顔、時には大声、時には全身を使ったコミカルな動きです。
恥ずかしさや躊躇が一切感じられないその姿勢こそが、観る者に深く印象を残す理由です。
まとめ
阿部サダヲさんの演技力の背景には、若い頃から積み上げてきた地道な努力と覚悟があります。
舞台での修業時代に培ったのは、仲間との信頼、そして観察力と表現力です。
大人計画での仲間との信頼関係も、今の活動に大きな影響を与えているようです。
宮藤官九郎さんや松尾スズキさんとのコラボは、作品にユニークな色を与え、阿部さんにしかできない表現を生み出しています。
それらすべてが融合して、今の阿部サダヲさんの“唯一無二の存在感”を作り上げているのです。
これからもきっと、彼はジャンルや枠にとらわれず、“観る者の心に刺さる”演技を届けてくれることでしょう。
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